「アイドルになりたい」「サッカー選手になりたい」―誰しも「子供の頃の夢だったもの」はありますよね。あなたは、それを叶えることができましたか?

今回話を伺ったのは、「声優×ライター」として活動し、さらにTwitterでイラストや個人のブログも精力的に更新している、新R25のライター・ゆぴ(17)さん。二兎ではとどまらず三兎、四兎………と追い続けている理由と、行動力の源に迫りました。

「年齢を言い訳にする大人になりたくない」―17歳で時を止めた理由

―まずゆぴ(17)さんの(17)が非常に気になるのですが、これは年齢でしょうか………?

はい、そうです。14歳の時に「17歳で時を止めよう!」と決めて、かれこれ数年間17歳やってます(笑)。

―その理由は………!?

いくつかあるんですが、一番大きいのは母親の影響です。私は中学2年生のときに父の仕事の都合でアメリカに行ったのですが、母親が「ゆぴは若いから英語が覚えられていいわね〜。お母さんはもうババアだから。」と年齢を理由に英語を学ぶことを諦めたんです。その時、「年齢を言い訳にする大人にはなりたくない!」と思ったのがきっかけです。

「17歳」という年齢にしたのは、アメリカ時代に心の拠り所にしていた日本の漫画の主人公たちのほとんどが17歳だったからです。「17歳ってきっと一番楽しい年齢なんだ!」と思っていました。

―なるほど。結構深い理由があったんですね………そんなゆぴ(17)さんは今、ライターのお仕事をされながら声優も目指しているとのことですが、声優は昔からの夢だったんですか?

そうです!  きっかけは小学校の国語の授業でした。国語の宿題で「音読」ってあると思うんですが、私の親は厳しくてなかなか音読の宿題カードに◯の評価をくれなかったんです。それが悔しくて、押入れの中でずっと練習していたんですね。そんなある日、クラスで音読を発表したとき、「ゆぴちゃん、うまい!」と周りからの称賛がすごくて(笑)。この経験で、大嫌いだった音読が大好きになりました。そして中学生に上がる頃に「声優」という職業があることを知って、「これだ!」と思ったんです。

一度は諦めた、「声優になりたい」という夢

―そこから、ゆぴ(17)さんは声優になるためにどのような行動を?

「声優になりたい!」と思ったのが中1で、中2からは家族の都合でアメリカに行きました。実はアメリカはモデルや女優が声優をするのがスタンダードで、「声優」という独立した職業がないんです。声優の学校というのも特になかったので、ひたすら日本から持ってきた漫画を音読する毎日でした(笑)。それ以外もアメリカにいる間はあまり外に出ず、ブログやイラストなど、家内にこもって創作ばかりしていました。

そして大学進学時に日本に帰国したんですが、なんと大学在学中に受けたオーディションで合格したんです。親に内緒で受けたオーディションだったので、そのままこっそり学校に通っていて。しかし、いざ親に「声優になりたい!」と言ったとき、強く反対されました。声優の学校って「金持ちの娯楽」と言われるくらいすごく高いんです。さすがに学生が払い続けられる価格ではなかったのと、当時はバイトも禁止されていたので一回辞めてしまって。バイト禁止の大学生って何なんでしょうね(笑)

―そうだったんですね。そして結局、就職活動などはどうされたんですか?

「声優」という夢を諦めた自分を正当化するかのように、普通に就活しました。新卒ではぬいぐるみの営業、2社目で広告のディレクションの仕事をしていました。その社内で異動し、今は新R25でライター/編集の仕事をしています。

―なるほど。今は声優の活動もされているとのことですが、再び声優を目指そう!と思ったきっかけは何だったのでしょうか?

広告のディレクションをしているとき、ゲーム広告なども扱っていたので日々声優の名前を目にしていて。ある日、声優の学校に通っていた時の同期の名前を目にしたんです。そのときに、「ああ!やっぱり私も、声優諦めきれないな」と思って。そして同時に「今なら、学校通えるじゃん!」って気づいたんです。働いてお金を稼ぐことができてるしって。

「朝活」がきっかけで「自分の好き」に向き合えた

―そうしてライターの仕事をしながら、声優の学校に通う今のスタイルに至ったんですね!

でも、実際仕事だけでも忙しいのに大変じゃないですか?しかもゆぴさんって仕事だけでなくブログ書いてたり、Twitterめっちゃ更新したり、イラストも描いてるし、どうやって時間捻出してるんですか?

(笑)。でも、けどそんな風に行動し始めたのはここ数ヶ月のことなんです!  それまでは週5で飲む毎日。遅くまで仕事して飲んで寝て、起きて仕事行ってまた飲み会の繰り返し。土日はそのストレス解消のために寝だめしたり遊んだりっていう日々でした。

―そういう社会人は多いでしょうね………。では、行動量を上げるきっかけは何だったのでしょうか?

こんな生活を送る中、ふと「あれ、私何もしてないじゃん!」って気づいたんです。昔は大好きだったイラストもブログも全然書けてないし、声優の課題を練習する時間も取れてなくて。そこで、「自分の時間を作ろう!」と決心しました。現実的に、時間を作るなら朝しかないと思って早起きコミュニティ「朝渋」に入り、朝活を始めたのが今の生活スタイルの始まりです。

昔から、フットワークは軽くて行動量は元々ある方だったんです。でも、けど、大人になってから行動量のベクトルが飲み会にしか向いていなかった。私、社会人の遊びって飲み会しかないと思ってたんです(笑)。会社自体も飲み会が多い文化で、飲み会に行かなきゃ新しい出会いがない、仲良くなれない、仕事も円滑にできない、って思い込んでいて。けど、「朝渋」の仲間は、朝に自分の好きなことややってみたいことを実現している。それで私も「声優」「ブログ」「イラスト」など、自分の好きだったことにベクトルを変えたんです。

―「行動量」といえば、Twitterで投稿されていたスプレッドシートが非常に印象的でした! たくさん動けるエネルギーの源はなんですか? こんなに動いて、疲れません?

うーん、全部やりたくてやってることだからなぁ………疲れてるのかもしれないけど、全部誰にやらされてるわけでもなく、自分で決めてやってることだから「疲れた」っていう実感はないですね。たまにヘロヘロになることもありますが、1日家でのんびりすると回復します。17歳なので。(笑)あとは、特に「イラスト」は自分では得意とも思わずなにげ何気なく描いているだけなんですが、意外と周りからすごく評価されて!  そしたら、また「次も描こう書こう!」って自然と思えるので好循環で回ってる感じです。小学校の音読のときから変わってない(笑)。周りからの評価がエネルギー源です。

「声優×ライター」のモデルケースとなって、年齢で夢を諦めた人の後押しをしたい

ー自分の「好き」に忠実に、三兎、四兎…と追い続けているゆぴ(17)さん。それぞれのスキルを掛け合わせたことで相乗効果を感じたことはありますか?

「声優×クリエイター(兼業)」という見せ方をしてる人はそこまでいないので、ポジショニングでオリジナリティを出そうとしています。たぶん、今の私は「声優」単体でいくと年齢で切られるんですよ。あっ、17歳なんだけどね⁉︎ (笑)声優って本来声だけの仕事のはずなのに、昨今だとアイドル化が進んでいて、演技力だけじゃなく、若さやルックスも重視されています。若ければ若いほど評価されるし、志望者も多くて厳しい業界なんです。あと、社会人としての知見や経験が声優の演技に使えるとも思ってるので。全部強みに変えてやろうって!

また、今TwitterなどSNSのフォロワーを伸ばすことも注力していますが、やはり同じ能力の声優だったら発信力がある方が起用されると思っていて。「ブログ」「イラスト」といったコンテンツで発信力を上げつつ、声優としてのスキルアップもしていく、という相乗効果も狙っています。戦略的17歳です(笑)。

―最後に、今後特に力を入れていきたいことを教えてください!

今はTwitterやブログ、イラストを通してたくさんの発信を頑張っていますが、肝心の「声」の発信ができていなくて。なので今後は各種配信ツールを積極的に使って、声の露出を増やしていきたいです!!

そして、私のような「兼業声優」もいるよ!というモデルケースとなって、年齢や金銭面を理由に夢を諦めてしまった人たちの後押しができれば最高ですね!

取材後記

年齢を言い訳にせず、子供の頃の夢を叶えるためひたむきかつ戦略的に行動をし続ける永遠の17歳。時として「もう◯歳だから…」と言ってやりたいことを諦めてしまいがちな自分自身にとっても、胸に響くインタビューでした。

ブログやSNS、クラウドファンディングなどが一般化し、一昔前より圧倒的に個人にもチャンスが回って来やすくなった昨今。一度は諦めてしまった子供の頃の夢も、今なら叶えることができるかもしれません。

小学校の卒業文集を引っ張り出して、もう一度自分の「好き」を思い出してみませんか?

 

ゆぴ:Twitter @milkprincess17/note ゆぴ。(17)

この記事を書いてくれたひと

この記事を書いてくれたひと:平 理沙子|Risako Taira

平 理沙子|Risako Taira

IT企業を中心にフリーランス広報/ライターとして活動中。プライベートでは4歳の娘がいる。仕事と育児と遊びの三兎を追い、それが当たり前になる世の中を目指して奮闘中!ハイボールと占いが好き。

Twitter:@riiiii_moo | Facebook:平 理沙子

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう