3連休!シルバーウィーク!とテンションがハイな方もいれば、「上半期ラストスパートや!」と仕事に追い込みをかけている方も多いでしょう。
そんな中、毎週欠かさずに見ている「カンブリア宮殿」という番組があるのですが、今週は特に面白かったです。
「伝統」と「革新」の二兎を追う老舗・京都福寿園
今週のゲストは福寿園の会長、福井正憲さん。
「福寿園」だけではピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、「京都福寿園のお茶、伊右衛門」と言えばピンとくるでしょう。
そう、あの「サントリー 伊右衛門」の生みの親、福寿園です。
もはや、国内外で最も有名なお茶の老舗として一躍有名になった福寿園ですが、その真髄は「伝統」と「革新」の二兎を追い、二兎を得たということ。
伊藤園が圧倒的なシェアを誇り、キリン生茶に先を行かれていた緑茶マーケットに後発組として参入を図ったサントリーは、起死回生の一手として老舗の名店とコラボレーションすることを決めます。
老舗の名店の中でも、サントリーは福寿園一択に絞ったのですが、サントリーは強気の提案に出ます。
福寿園の看板を借り、製造を任せるだけでなく、福寿園の創業者「福井伊右衛門」の名前を冠した商品名にしたい、と。
「名前を貸すくらい、どうってことない・・・」と思う方もいるかもしれませんが、創業200年以上の「伝統」を持つ老舗のお店からすれば、ペットボトル飲料に創業者の名前を冠すなどということは、歴史や伝統に泥を塗る行為として糾弾されてもおかしくありません。当然、福寿園でも大きな物議を醸したようです。
それでもなお、福寿園が「伊右衛門」の発売を決断できた理由はいったい何か。
それは、「伝統」と「革新」の二兎を追い、二兎を得ることが、結果的に伝統を維持し続ける上で大切なのだ、ということ。
「革新なくして伝統なし」あるいは「伝統なくして革新なし」とも言えるかもしれません。
「二兎」を諦めなかった人だけがイノベーションを起こせる。
この京都福寿園から得られるインプリケーションは様々です。
伝統と革新という、本来であれば二律背反するかのように思えることを、あえて両方を追いかけて、両方の果実を得るということ。
どちらか一方を捨て、どちらか一方だけを得るのは簡単なことです。
「難しいから」と言って、あきらめるのではなく、「難しいことと不可能なことは違う」と理解した上で、難しいからこそ「どうやったら両立可能なのか、二兎を得られるのか」を考え尽くした上で編み出した方法こそが、イノベーションの種なのだと。
ビジネスや事業においては、もちろん、私生活においても同じですね。
仕事と子育ての二兎。本業と複業の二兎。
どちらも決して平坦な道ではありませんが、チャレンジしてみませんか?
あなたの人生<ライフ>にイノベーションが起こるかもしれません。