おはようございます。HARES.JP編集長の西村創一朗です。
先日インターネット界隈を賑わせた中退起業家、石田さん( @yuki1y1m )に今朝お会いしてきました。
18歳で大学を退学して起業した石田さんに会ってきた。
話題騒然となったのはこちらのブログのエントリー。
4ヶ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ。ーいしだの話
1400を超えるはてブが集まり、Twitter、FacebookやNewsPicks、2ちゃんにまで飛び火して激しい賛否両論を生みました。
いろんなコメントを見るに、9割以上が否定的な意見でしたが、琴線に触れた人も少なくなかったのか、けんすうさんを中心に多くの方がアンサーエントリーを書くに至りました。
参考:起業自体が目的でも大丈夫じゃない?的なこととか、いろいろ書いてみた
例に漏れず、僕も個人ブログで書き殴りました。多くは語らず、思ったことを率直に。
人の生き方を笑うな。人生の選択肢に正解なんてないのだから。ーNow or Never
すると、このエントリーを石田さんが読んでくれたようで、早速ツイートが…!

Twitterでつながることができ、早速会いましょうという話に。
ちょうど今朝9/26(月)の朝、HARES collegeの勉強会があったので、そこにご招待する形でお会いしてきました。
以下、インタビュー録です。
なぜ起業したのか?
西村:
改めて、炎上は大変でしたね。ここまで炎上するって、予想してました?
石田:
もちろん、バズらせようと思って批判覚悟であえて刺激的なタイトル、文章にしたのですが、まさかここまでとは思ってなかったので、正直凹みましたね。
参考:はてブ1000超えるほどバズったけど、実際には結構メンタルやられてるんですって話
西村:
凹みますよね。僕もプチ炎上は何度か経験したことありますが、それとは比べ物にならない規模でしたもん。想像するだけで胃が痛くなります。
石田:
そうですね。ただ、批判的なコメントもただ叩きたくて書かれてるというよりは、本当に心配して良かれと思って書いて下さってるんだなと感じましたし、西村さんもそうですが、一部応援してくれる方もいらっしゃって、本当にありがたいなと思っています。
西村:
まさに「ケガの功名」ですね。ケガにしても結構重傷かもですが。笑
本題に入りますが、ブログのエントリーを読んでも「なぜ起業したのか?」が今ひとつ腑に落ちなかったんですが、改めてお聞きしても良いですか?
石田:
ブログに書いている通りなのですが、中学生の頃からずっと起業したいという思いを持っていたものの、どんな事業を始めたら良いのかが全然分からず踏み出すことができずにいました。
そんな中、プロブロガーという生き方を知り、ブログをはじめてみたら、ものすごい視野が広がって、世の中を見る解像度がすごく上がったんです。その結果、「よし、この分野で事業を立ち上げよう!」と思える分野を見つけることができたこと、期待を抱いて入った大学があまりにもつまらなかったこと、一緒に事業をやる仲間と出会えたことが積み重なって、入学して4か月で中退して起業する道を選択しました。
まだ登記準備中ですが、11月には法人設立予定です。
起業を志したきっかけは?
西村:
僕自身、3年前にブログをはじめたことでものすごい視界がひらけたので、その感覚はすごくわかります。でも、そもそも中学生の時に起業したい!って思ったのは何がきっかけだったんですか?
石田:
中学3年の時、「リッチマンプアウーマン」という小栗旬主演、石原さとみがヒロイン、という起業家の生き様を描いた月9ドラマをたまたま観ていたのですが、あまりにもカッコ良すぎて、起業家という生き様に心底惚れたんです。
「オレも絶対起業家になる!!」と。
西村:
(え、リッチマンプアウーマンの時、中3だったのかよ…その頃オレもう社会人2年目だったよ…)
リッチマンプアウーマン、僕も観てました。確かにカッコよかった。憧れますよね。
石田:
それで起業しようと思って、主人公にならってプログラミングの勉強をしようと思っていろいろ調べたら、どうやら一番メジャーなプログラミング言語はC言語らしいと。
それでC言語の書籍を買って勉強をはじめたのですが・・・案の定挫折しました。
西村:
あるあるすぎて何も言えない。
石田:
世間知らずで起業のアイデアも浮かばなければ、プログラミングの習得すらおぼつかなくて。いつかは起業したい!という思いは持っていましたが、なかなか形にすることはできないでいました。
今も胸に残る亡き父の生きざま

西村:
石田さんと同じように、リッチマンプアウーマンを観て「起業家カッケー!」と思った人はたくさんいたと思うのですが、「絶対いつか起業家になる!」とまで思えた人って本当に僅かだと思ってて。なぜそこまで石田さんの琴線にふれたのでしょうか?
石田:
父の影響が大きいと思います。
父は元々銀行員だったのですが、僕が小5の時に突然脱サラしたんです。理由はあまりにも仕事がしんどすぎて、身も心も燃え尽きてしまったから。
仕事をリタイヤしてからはインテリアをDIYしたり、とにかく自分が好きなことに時間を使っていて、銀行員時代とは比べ物にならないくらいイキイキしていたんです。
そんな父の姿を見ていたからこそ、僕にとっては「仕事=辛いもの、やりたくないもの」だったんですよね。
そんな僕の仕事の価値観を見事なまでにぶち壊してくれたのがリッチマンプアウーマンだったんです。
「あ、サラリーマンがしんどいだけで、起業家になれば、仕事って楽しめるのかもしれない!」
そんな風に僕の価値観を変えてくれたからこそ、「絶対に起業家になりたい!」と心底思えたのだと思います。
西村:
そうだったんですね。今、お父さんはどんな仕事をされてるんですか?
石田:
実はもう、父親は亡くなってるんです。
僕が中学3年生の頃、ガンを患って、数年の闘病生活の末、僕が高2の頃に息を引き取りました。
だから、今回大学を中退して起業することも相談したりは出来ませんでしたが、50歳で脱サラして、レールを外れて自分のしたいことに余生を使った父ならきっと、背中を押してくれたはずと思っています。
ブロガーになったことで世界が広がった
西村:
それだけずっと、強く起業家になりたいと思っていたのなら、高卒就職or大学進学ではなく、いきなり起業という選択肢もあったと思うのですが、なぜ大学進学を?
石田:
やはり自信がなかったというのが大きいです。
高校三年間はとにかく部活漬けで、ビジネスのことを考える余裕も全くなかったので、起業への思いは募る一方、具体的なイメージは全然出来ていませんでした。
高卒就職は選択肢になかったので、大学進学を決め、情熱を注いできた音楽に関わる仕事が将来できるように、という思いから名古屋学芸大学に進みました。
ただ、残念なことに大学の授業で学べるのは本やインターネットでも知れるようなことばかり。周りの学生も「単位取得がゴール」だったり、サークル活動やアルバイトに夢中で全然話が合いませんでした。
「あれ、何のために大学に通ってるんだろう?」
そんな違和感を入学してすぐから感じるようになりました。
西村:
結局入学して4か月で中退、ですもんね。
逆にいえば、わずか4か月で起業の方向性が見えたということだと思うのですが、何がきっかけだったんですか?
石田:
きっかけはブログですね。
高校が部活漬けだっただけに、大学生活は他の大学生とは違うことにチャレンジしよう、と決めていました。
じゃあ具体的に何をしよう?と考えた時に、高3の時にはじめて「プロブロガー」という生き方を知りまして、「大学生ブロガーとして月に数十万円稼げたらスゴイかも!」と思い、入学と同時にブログをはじめました。
4月だけで50本くらい記事を書きましたね。今思うとあまりにクオリティが低かったのでほとんど削除しましたが。
西村:
なるほど。ブログがきっかけだったんですね。
でも、プロブロガーになるわけではないですもんね?
石田:
そうですね。
ブログをはじめたことによって、ブログのネタを収集するために、昼夜を問わず国内外のニュースやビジネス書を読む習慣がつきました。
すると、高校生の頃は全く知らなかった未来予想図が見えてきたんです。
「AIをはじめとするテクノロジーによって、今ある仕事の51%は無くなるかもしれない」とか、
「企業と個人の関係性が変わり、雇用が保障される時代は終わる」とか。
知れば知るほど、誰かに雇われる働き方はリスクで、自ら仕事を創り出す起業家の方がよっぽど安定できるんじゃないかと思うようになり、起業したい!という思いが確信に変わりました。
音楽×インターネットでもっと世界を豊かにしたい
西村:
それで、起業して具体的にどんなビジネスをはじめる予定なんですか?
石田:
ビジネスを具体化するのはまだこれからなんですが、勝負したい領域は決めていて。
高校生の頃から考えていた音楽×映像に関わる仕事がしたいという思いは変わらなくて、それにつながるビジネスを創っていきたいと思ってます。
具体的には、音楽・映像の創り方を学べる教育プラットフォームを作りたいと思っています。専門学校に通ったりしなくても、音楽や映像を創りたい!という思いを持った人が、思いを形にする支援ができるサービスをつくりたいと思っています。
西村:
いいですね。僕の友人が動画製作について学べるWebサービス「Vook」をやっていて注目を集めていたりするので、学べることがありそうですね。今度ご紹介しますね!
石田:
本当ですか!ぜひお願いします!
西村:
もちろんです。
大学を中退しても、大学進学が出来なくても、イキイキ働けるという新しい生き方の道、新しいレールを石田さんには創って欲しいと思っているので。心から応援してます!

参考:石田さんのブログいしだの話