本記事は、6月28日に開催された「20代ビジネスパーソンのための”新三種の神器”-知っておきたいお金の話-」のイベントレポートの後編です。

イベント登壇したのは、自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」取締役の浅野 千尋さん、個人送金アプリ「Kyash」代表取締役の鷹取 真一さん、ロボアドバイザーサービス「THEO」取締役の北澤 直さんの3名と、スペシャルゲストのキングコング西野 亮廣さんを加えた4名。

イベントの前半では、西野さんより、ご自身の絵本執筆経験から得られた「お金と信用」の話をしていただきました。(前編はこちら:「これからは信用が数値化される時代になる」西野亮廣が語るこれからのお金と信用の話)。後半では、時代を先取りするフィンテック企業3社の代表に、「20代のお金との距離の取り方」を語っていただきました。

お金を知る、使う、ふやす。新しい”三種の神器”

イベントの後半は、3社からの代表のスピーチからスタート。まずは、株式会社 Kyash代表取締役、鷹取さんより個人間送金アプリの『Kyash』をご紹介いただきます。

Kyashは個人間で完全に無料で送金できるアプリ。友人とのご飯の支払いで「小銭の持ち合わせがない」となった時はATMや銀行に行って現金を引き出す必要がありますが、Kyashを利用すればLINEやFacebookで繋がっている友達にアプリから送金できたり、QRコードを利用して送金できます。飲み会や食事の割り勘だけでなく、投げ銭や職場でのちょっとした買い出しの他、寄付など、幅広い使用用途があります。

最後に、鷹取さんはKyashで実現するビジョンについて以下のように語りました。

鷹取さん:

“私たちが実現するのは「送金アプリ」のみではなく、価値交換が自由に行えるような世界。「お札」「硬貨」「カード」ではない新しいお金の形として「Kyash」をみなさんに使っていただきたいと思っています。”

二人目にプレゼンをするのは、株式会社マネーフォワードの取締役、浅野さん。

『マネーフォワード』は、利用者数No.1を誇る自動家計簿・資産管理サービス。アプリ上で銀行口座、クレジットカード、電子マネーや通販の入出金明細や利用履歴と連携し、支出をそれぞれ「住宅費」「食費」と自動で分類してくれます。また、預貯金・株式・投資信託や不動産など資産をすべて一元管理することができ、「資産管理」としての利用もできます。浅野さんは、『マネーフォワード』を”お金のライフログ”と呼んでいるそうです。

浅野さん:

“人生の使い方を「時間」と「お金」のふたつだと考えたとき、個人として「なにに価値を感じており、なにに消費をするのか」はその人のアイデンティティであると考えています。

私は『マネーフォワード』を「お金のライフログ」と呼んでいます。一度使い始めれば、30年でも記録し続けられる。お金を管理することで、自分の人生をよりコントロールできるようになると思っています。”

最後にプレゼンをするのは、お金のデザイン取締役の北澤さん。ロボアドバイザリーサービス『THEO』を利用すれば、ユーザーは最低一万円と自分に合った額から、スマホで「いつでも」資産運用をスタートできます。資産運用によって実現する「安心」について語っていただきました。

北澤さん:

“私が新卒で入社した時は「今は給料が低くてもいつか上がる」と思っていました。でも実際は、日本の給与上昇は97年でピークを迎えていて昔と今では将来的に会社で稼げる額が違う。これからは100歳まで生きるとなると、お金にまつわる将来への不安があると、好きなことができないかもしれません。

でも例えば20代からTHEOで月に3万円積み立たとしましょう。すると、65歳になる頃には複利効果もあって、ざっと計算すると5400万円の資産を形成することが可能です。そうなると安心して老後にやりたいことをできます。

こういう難しい話は一回ではわからないと思いますが、むしろ「わからなくていい」と思っています。まずは少額からやってみることで、20代のうちから資産運用を考えていただくと良いのではないでしょうか。”

主催三社代表によるパネルディスカッション

いよいよイベントのメインディッシュ、時代を先取るフィンテック企業3社の代表と、西野さんによるパネルディスカッションが始まります。司会の藤本あゆみさんを含めた5名で、「新三種の神器が描くお金の未来」についてお話いただきました。

藤本さん:20代の時に何かお金で失敗ってしましたか?

 

浅野さん:

学生時代に投資に興味を持ち、投資した50万円を失くしたことです(笑)2005年当時は、株式市場が上向きだったので「当ててやろう」と思い、アルバイトで稼いだ50万円を元に株をデイトレードしていたんです。

 

しかも、「信用取引」という元手以上に投資ができるもの。少し上がったけれど、結果的に一気に下がって投資した50万円を全て失くしてしまいました。

 

藤本さん:

それっていくつくらいの時ですか?

 

浅野さん:

20歳くらいの時です。もう、泣きました(笑)

 

それ以来、「リスクはコントロールするもの」「投資はスポーツ」と思うようになりました。例えば、自転車を乗りたいと思ったとき、本を読んでも乗れるようにはなりませんよね。実際に乗って、転んで、怪我をしてみないと、自転車でのバランス感覚は掴めないと思うんです。

 

自転車に乗るときの「バランス感覚」に値するものを投資に置き換えると、「リスク感覚」だと思うんです。20代のお金の失敗があったからこそ、転職や起業、取引先の交渉ごとなどあらゆる場面で、リスクの感覚がつかめるようになりました。いかに身につけてコントロールするかは「スキル」だと思うので、何度も経験して学べばいくらでも上達すると思っています。

 

藤本さん:

西野さん、お金にまつわる失敗で何か思い出すことはありますか?

 

西野さん:

競馬ですね。仕事で競馬場へ行った時、空いた時間で後輩の芸人のお金を使って賭けさせたことがあるんです。僕の誕生日が7月3日なので、7番と3番で3000円を賭けてみて。そしたらたまたま当たって4万円になったんですよ。「すごい!」と盛り上がって、また7番と3番でその全額を賭け、勝って230万円を手に入れたんですよ。

 

藤本さん:

すごい!

西野さん:

でもそこで辞めちゃったんですよ。これが失敗だと思っています。

 

藤本さん:

賢明な判断だと思いますが、それって失敗なんですか?

 

西野さん:

長い目で見たら、完全に損なんですよ。だって、「競馬で230万円に当てた男」よりも「230万円賭けて負けたヤツ」の方が”選ばれた感”あるじゃないですか(笑)一度ネタにしてしまえば何回でもその話はできるわけですから、長い目で見れば230万円以上は余裕で稼げる。

 

完全にしくじりました。

お金は目的ではなく、”手段”

藤本さん:

今日登壇されているゲストの方々は、来場してるみなさんよりも少し”人生の先輩”だと思います。30代、40代となって、”お金への向き合い方”は20代と比べて変化しましたか?

 

浅野さん:

私は、子供が生まれて価値観が変わりました。自分ひとりの人生なら、極論どれだけ失敗しようがなんとでもなります。でも、子供の親となるとそうはいかない。

 

よく「若いうちから投資を始めたほうが良いですか?」と質問されるのですが、むしろ「若いうちこそ投資するべきだ」と思っています。後になればなるほど取れるリスクの幅が狭くなるので、若いうちに取れるだけ取っておくべきです。

 

鷹取さん:

僕はお金の使い方は意思決定や価値観の総和だと思っています。貯金でも、高いものを買っても良いと思いますが、自分のやりたいことが中心である。どんなことにお金を使うとしても、「何のために使っているのか」は意識した方がいいと思っています。

 

北澤さん:

大人になると段々とお金をコントロールできるようになるんですよね。若い頃は「お金を稼ぐ」ことが目的となってしまい、「自分が本当に何をしたいのか」がわからなくなった時期がありました。

 

でも実際は、「お金は手段」なんです。それに気づくためには、20代のうちにお金に向き合ったおかないと「年収1000万以上になるとモテるので稼げばいい」と周りに流されるようになってしまうかもしれません。

 

そのためにも、お金を知り、使い、増やすことが大事なのではないでしょうか。

 

以上、「20代ビジネスパーソンのための”新三種の神器”-知っておきたいお金の話-」のイベントレポートでした。

取材後記

車を買って友人と遊ぶ、株取引で大損をする、競馬で4万円賭けてみる、いずれにしても”20代でしかできない”お金の使い道。

20代の「お金」の使い道はもしかしたら、その人の「人生において大事なもの」を表しているのかもしれませんね。

取材・執筆:奥岡けんと

撮影:塚田耀太

 

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