HARES.JP編集長の西村創一朗(@souta6954)です。

本日は大企業の若手有志による新団体「One JAPAN」のオフィシャルイベント「One JAPAN Vol.02」に参加させて頂きました。

img_4178

パナソニック、JT、NTT、トヨタをはじめ40団体(あくまで有志団体のため「社」ではなく「団体」)、計250人以上のイントレプレナー(企業内起業家)が一堂に会して互いの活動内容や課題、解決策についてのノウハウやナレッジをシェアしあう、熱気溢れる6時間でした。

イノベーションの本質とは、知と知の組み合わせである。

基調講演としてご登壇されたのは『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』でおなじみの早稲田ビジネススクールの入山章栄先生。

「社外での挑戦と繋がりが、なぜ日本の未来に必要なのか」というテーマでのご講演でした。

講演タイトルにもなっている「社外での挑戦と繋がりが、なぜ日本の未来に必要なのか」という問いに対する答えはいたってシンプル。

img_4198

答え:イノベーションの本質が「知と知の組み合わせ」だから

img_4200

半世紀以上昔、コンピューターが誕生するより前から、イノベーションの本質は全く変わっておらず、常に「既存の何か」と「既存の何か」による「新しい組み合わせ」二よってのみ、イノベーションが生まれているのです。

入山先生曰く、最先端のイノベーションの理論に「両利きの経営」(Ambidexterity)というものがあるそうです。その基本コンセプトは「 まるで右手と左手が上手に使える人のように、『知の探索』(Exploration)と『知の深化』(Exploitation)について高い次元でバランスを取る経営」のことを指すのですが、連綿と歴史を重ねてきた大企業においては、社内における『知の探索』は概ねやりきっており、イノベーションの源泉となる「新しい組み合わせ」が生まれにくい状態に陥っているのだそうです。

img_4202

動け、繋がれ、二本の軸を作れ、そして巻き込め。

では、大企業でイノベーションを生み出すためにはどうすれば良いか。

ずばり社外に出て『知の探索』(Exploration)をせよというのが入山先生のメッセージです。

なるべく自社から離れて、遠くにある幅広い地を、多様に探索すること。そして、遠く離れた地で見つけたものに、自分が持っている知を組み合わせる。そうした営みを繰り返し続けることでしか、イノベーションの源泉となる「新しい組み合わせ」は生まれないと、入山先生は断言します。

『知の探索』(Exploration)によってイノベーションのタネを見つけたら、次は『知の深化』(Exploitation)によって、実行フェーズに落とし込み、イノベーションをカタチにしてゆく。具体的には次の4つのSTEPです。

まず、動け。

まずは、個々人が社外に出ること。One JAPANのような有志団体でも良いし、NPOのようなソーシャルアクションでも、複業でもなんでも良い。まずは社外に出るところから。

次は、繋がれ。ゆるく、弱い繋がりで良い。

会社を、社会を、どうにかしたい。そうして「想い」を持って活動を続けていくうちに、少しずつ、でも確実に繋がりが広がって行きます。学生時代からの友人のような、親友と言えるような強固な結びつき(strong ties)でなくても良い。むしろ、意志や活動に基づくゆるやかで弱いつながり(weak ties)の方が、速いスピードで、遠くまでネットワークが広がるため、イノベーションを生むネットワークになりやすい。これが「弱いつながりの強さ」(The strength of weak ties)です。

二本の軸を作れ。

これからの時代は「T型人材」だけではダメ。一つの専門分野(縦糸)×幅広い興味関心(横糸)だけでは不十分。本業で培った専門性(縦糸)に加えて、社外でもう一つの専門性(縦糸)を構築し、それらを横糸でつなぐ「H型人材」にならなくては、イノベーションは起こせない。

img_4208

最後に、巻き込め。

せっかく『知の探索』(Explorataion)を進めても、実現できなくては意味がない。

若手中心のチームなら、ベテランやミドルマネジメントや役員を巻き込む。

大企業中心のチームなら、ベンチャーやスタートアップなど新産業の方々を巻き込む。

同業者中心のチームなら、異業界・異業種の方々を巻き込む。

そうして同質的な人や組織、コミュニティに閉じることなく、異質な人や組織、コミュニティを巻き込むことで『知の探索』によって見出したアイデアを、実現に向けた『知の深化』(Exploitation)へと繋げることが可能になるのです。

img_4210

動き、繋がり、二本の軸を作り、そして巻き込む。

この4つのステップをきちんと踏めば、踏み続ければ、必ずや大企業でもイノベーションが起こせるはず。そう力強く語る入山先生の言葉が非常に印象的でした。

社外に出て、イントラパーソナル・ダイバーシティを進めよう。

入山先生のお話の中で興味深かったのが「ダイバーシティ」のお話でした。

外資系企業では昔から進んでいた「ダイバーシティ経営」が最近日本企業でも盛んになりつつある現状も、イノベーションを生むための『知の探索』を推し進めるために、ついつい同質化しがちな組織に対して、多様な視点、多様な価値観を持ち込むことを目的としていると考えると、「組織のダイバーシティ化」が単なる福利厚生ではなく、経営戦略であることがよく理解できます。

そして、組織のダイバーシティと同じくらい重要なのが「イントラパーソナル・ダイバーシティ」なのだと、入山先生は語ります。

img_4204

「イントラパーソナル・ダイバーシティ」

なんだか耳慣れない言葉ですよね。僕も初めて聞きました。

ただ、概念としては非常にシンプルで個人内の価値観を多様化するという話なのです。

100%企業内にこもりっぱなしのAさんは、ついつい単一な価値観になりがちですが、企業内で活躍するのみならず、複業家として社外でも活動しているBさんには多様な価値観が備わっています。

こうして、「本業」とは異なる価値観を持った異質な場に積極的に出ていくことで、自分自身の中に養われる多様性のことを「イントラパーソナル・ダイバーシティ」と呼ぶそうです。

僕自身、いろいろな方々とお会いしてお話する中で、本業のみならず社外でも積極的に活動されている方は、非常に思考が柔軟というか、多様な考え方を受容してくださる傾向が強いと思っていたのですが、つまりは「イントラパーソナル・ダイバーシティ」が備わっている方々だった、ということなんですね。非常に納得性の高いお話でした。

「最近、思考が凝り固まってるな…」

「なかなか良いアイデアが閃かないな…」

という方は、もしかしたら「イントラパーソナル・ダイバーシティ」が不足しているのかもしれません。そういう方は、ぜひ社外に出て、いろんな価値観に触れてみると良いかもしれません。

次回、One JAPAN Vol.03は来年4月に開催予定とのこと。

今から約4ヶ月後、さらにこのムーブメントが広まり、ゆうに100を超える有志団体が集まっているのではなかろうかと、密やかに期待しております。

マックさんことOne JAPAN代表の濱松誠さん、素敵な会にお招きくださりありがとうございました!

souta6954さん(@souta6954)が投稿した写真